任意整理のあれこれ1

皆さんがもし不幸にも非常に多額の借金を抱えてしまい、その返済にも行き詰るような状態に陥ったとき、借金を整理する方法があります。そういった方法の中でもよく知られているのが自己破産でしょう。最近はクレジットカードを使いすぎて、自分の支払い能力を超えて買い物をしてしまったという人等がこの自己破産を申請して、借金を整理するといったことをよく聞きます。ですが借金を整理できるといっても、自己破産のケース或いは民事再生と呼ばれるケースでは原則、要件が存在します。つまりはこの原則が守れない人、この要件を満たしていない人は自己破産や民事再生等といった方法では借金の整理ができなくなるのです。これら自己破産の手続きとは異なり、借金整理の方法として任意整理を選択した場合、その手続きに関しては原則として、これといった要件はありません。但し厳密に言えば要件ではありませんが、任意整理は自己破産などと異なり、今後借金の返済をしていくことを前提にした借金整理の方法です。従って原則としては収入がない場合、つまり今後借金の返済が不可能という場合には、任意整理による手続きができないことになります。
任意整理を選択して借金整理を行った場合の、他の借金整理方法と異なるところは他にもあります。任意整理の場合、例えば住宅ローンを組んでいる債務、或いは保証人が付いている債務がある場合でも手続きをすることができます。つまりいろいろなところからの、いろいろな債務があった場合、債務のいずれかを任意で選んで、その分だけ整理をするといったことが任意整理の場合できるわけです。これがその他の借金整理方法でしたら叶いません。
但し誤解のないようにもう少し詳しく言っておけば、このような場合住宅ローンを組んでいる債務、或いは保証人が付いている債務を除いて任意整理による手続きができるということだけであって、それは決して住宅ローンを組んでいる債務、或いは保証人が付いている債務についても、同様に任意整理の手続きによって借金の整理ができるというわけではありませんから勘違いをしないでください。
実際のところ任意整理は消費者金融等、利息の高いところから借金をしているという場合に特に有効な方法で、この場合借金の元金が減ったり、また今までに利息を払いすぎていることがわかったら、「過払い金」として返還されたりします。ですが例えば銀行等、利息が低いところで借金をしている場合は元金が減ることがなく、上で紹介したような「過払い金」が発生してそれが返還されてくることもありません。この場合、任意整理はあまり効果的な借金解決の方法ではないことを理解しておいたほうがいいでしょう。
上記のようにあくまで任意整理は、借金を整理、減額したら今後借金を返済していくことができる、という前提に立った上での借金整理方法です。従ってもし任意整理という手段で借金の整理を行う場合、その一番の問題点はやはり実際に借金を返済していくことが可能かどうかということになります。そもそも借金の返済が成り立たないのなら、任意整理による借金整理は不可能です。任意整理の一般的な方法は、利息制限法という法律で規定された利率に従って借金の利息を計算しなおし、それでもって新たに借金の金額を確定してその後それに基づいて返済を続けていくという方法です。従ってもし仮に利息制限法の規定に沿って利息を計算しなおし、今までに払い過ぎていた利息を差し引いて、新たに借金の金額と今後の返済金額を確定したとしても、それ以降の毎月の返済金額が相変わらずとんでもなく、返済できないような金額なら全く意味はありません。その場合は自己破産等の別の方法を選択することになります。
以上で紹介したようなことを考慮しつつ、数ある借金返済方法のそれぞれの長所、短所を整理したうえでさていったい任意整理の方法で借金整理の手続きを行うのか、或いは自己破産や民事再生等の他の手続きを行うのかを判断し、決定していくことになります。