特定調停あれこれ1

多額の借金の返済に困ってしまったとき、取ることのできる方法は借金を整理することです。この借金整理の方法は一つではなく、実は四つあります。その四つはそれぞれ任意整理、特定調停、民事再生、そして自己破産です。勿論これら四つの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあって、実際に借金整理をする際に、この中からどの方法を選ぶかについては、そのときの状況、借金の状況によって決定するわけです。ここまではこの四つある借金整理の方法の中の一つ、特定調停と呼ばれる借金整理の方法について紹介しました。先に紹介した内容をここでもう一度おさらいすると、特定調停とは裁判所が仲介に入る調停です。言ってみれば裁判所が間に入り、裁判所を仲立ちにして債権者と債務者双方が話し合いを行い、その方法によって借金の整理を行っていくわけです。債務者と債権者が借金の返済方法について話し合う点では任意整理と変わりません。このように実際に行うこと自体は任意整理と同じです。異なる点は勿論任意整理の場合、司法書士や弁護士といった専門家が代理人となって話し合いを行うわけですから、民事調停はこうして代理人ではなく、裁判所を通して行う任意整理と考えてもよいでしょう。
特定調停については、先に紹介したように裁判所が債務者と債権者との間に入って話し合いを行う方法ですが、ここからは特定調停のメリット、デメリットについて考えてみることにしましょう。
まず特定調停のメリットですが、特定調停の場合自分で申し立て、自分で手続きを行っていくと、特定調停の過程で発生する費用を安く抑えることができます。特定調停では自分ではなく、誰か他の人に代理になってもらって、その人に裁判所に出頭してもらったり、債権者と交渉をしてもらう人もいます。無論そうした方法でもOKなのですが、当然のことながらその場合、代理になる人の裁判所への交通費は勿論、それになにより相応の手当てを出さないわけにはいきません。何をするにせよ、自分で行うのは費用を安く抑えるにはいい方法です。従って時間に比較的余裕のある人で、出費をできるだけ抑えたいと考える人には特定調停による借金整理の方法は一考の価値があるでしょう。
次は特定調停によるデメリットです。皆さんはブラックリストについて聞いたことがあるかと思います。ブラックリストとは一部の金融業者などに出回っているとされるリストで、簡単に言えば借金を返せなくなった等といった履歴のある人がこのブラックリストに名前が載ることになり、ブラックリストに名前が載った人は金融機関でその前歴ゆえに融資が受けられなくなったりする、などと言われています。特定調停を申請すると、一定期間ではありますがこのブラックリストに名前が載ると言われています。ブラックリストに名前が載ると、その間一定期間に渉ってカードの利用や借り入れができなくなります。従ってもしそういうことになってしまうと困る、という人には特定調停はあまりお勧めできないことになります。
また先にも紹介したように、特定調停の場合調停が行われるのは裁判所です。例えば任意整理のケースとは異なり、特定調停にあたっては裁判所に出向く必要があります。ここでしっかりと頭に入れておいて、そして誤解していただきたくないのは、裁判所はあくまでも和解をするための場所を提供してくれるだけの存在です。言い換えれば裁判所が特に債務者の立場に立って考えてくれるということではありません。従って特定調停の場合、特に債務者が自分で申し立てをした場合には、例えば和解内容等、特定調停に関係のある専門的な内容についても、自分である程度知っておいて、そうして自分で判断を下さなければなりません。
そこで特定調停の場合、特定調停や関連の内容に詳しい専門家に依頼して、特定調停の手続きをする債務者もいます。その場合は債務者本人に代わり、専門家が裁判所に出向いて、債権者との話し合いに当たることになります。ですが先に書いたように当然のことながら、調停が行われる度に専門家への日当や交通費などの実費がかかります。そして実際には債務整理を依頼するよりも費用が高くなってしまうケースも多いようです。

また特定調停のデメリットについてはもう一つ触れておく必要があります。それは所謂過払い金が発生している場合、任意整理の場合は債務者の代理人が債権者と返還等の処置の交渉にあたってくれますが、任意整理とは異なり、特定調停の場合は調停終了後に再度「不当利得返還請求訴訟」という訴訟を起こさなければ返還を求めることはできません。言うまでもなく訴訟と聞くと手間も費用もかかってしまいます。従って特定調停による借金整理をしようとする場合、そのあたりのことをよく考える必要があります。

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Last update:2015/2/5